マーケティング再考(第2回)

2009/12/08 ことのは-諷詠

こんにちは。

前回
・マーケティングとはバリューチェーン全体で行うもの
・企業はユーザを型にはめようとするが、ユーザは型にはまらない
ということをお話させて頂きました。

今回は、顧客行動における「定性情報分析」の必要性についてお話したいと思います。
「分析」と聞くとまず何を思い浮かべるでしょうか?きっと数字データとにらめっこしてグラフを書いたり統計解析をしたりというイメージを抱く方が多いと思います。私は是非ここで定性分析の必要性を強調したいと思います。

定性情報の価値には二つの側面があります。

  ①「事実」は定量でも語れるが、「理由」は定性でしか語れない
 絶対的指標で物事を表現でき、さらに解析手法も充実している定量分析は確かに便利です。しかし、その「数値」がなぜ「その数値」なのか、という点については定性情報でしか語れません。そこに定性情報の価値があります。

売上高が上がったことは定量で測定できますが、その理由が「企業が想定していない用途での利用方法が某著名人のブログで提案され、それが某テレビ番組でも紹介され、さらにブログやTV番組を見た人の口コミで広がって大ヒットした。」という理由は数値では説明できません。

  ② 新しい「考え」を浮き彫りにできる(探索型アプローチ) 
人が100人いれば当然その100人は別の人間で別の思考・人格を持っています。当たり前の話ですが、これが「マーケティング活動」になるとその前提は容易に覆されます。企業は全てを測定可能な幾つかの選択肢や項目に分類できると過信した結果、その過信によってミスをする事があります。
アンケートを見ていてもそうですが、同じ質問を選択式と自由回答の二種類で回答させると、自由回答では選択式では全く想定していなかった回答が多いケースも少なくありません。
定量的なアプローチはえてして人の視野を狭めがちです。自分が気づいていない可能性を謙虚に探したい場合には、定量分析より定性分析のほうが優れています。

もちろん上記の例は極端な例ですが、技術や手法が向上してこれまで取っ付きにくかった定性分析のハードルは下がっています。元々顧客や人間(及び人間社会)という予測不可能な物を相手にしているマーケティング活動は定性分析との相性は良いです。顧客を理解しようと試みるのであれば是非定性分析も定量分析と一緒に活用してみて頂ければと思います。

次回は、実際に企業活動の定性情報の活用方法についてお話させて頂くこうと思います。

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