情報爆発時代における情報マネジメントのあり方を考える④   ~情報の連鎖社会における情報マネジメントの重要性~

2010/05/18 企画・営業リーダーのコラム

 前回まで、インターネット社会における情報流通の効用について話をしてきた。インターネットという新しいメディアの登場により、情報の発生と流通の構造が変化したといえる。今回と次回ではそのように変化した構造の中で、どのように情報をマネジメントしていくべきかを考えてみたいと思う。考えるにあたって、まずはインターネットの定着により変化した情報の発生と流通についてもう一度整理したいと思う。
【情報の連鎖】
 「インターネット上に溢れる情報の効用」で触れたように、
個人でも簡単に情報を発信することができるようになった。
掲示板、ブログ、最近ではTwitterなどが情報の発信ツールとして、
既に日常に浸透してきているといえるだろう。
誰でも簡単に情報を発信することができるようになったことで、
私たちを取り巻く新しい情報の量が増えただけでなく、
発信された「ひとつの情報」が転用されることで「ふたつ」「みっつ」と情報が拡散していく傾向がみられる。
後者の「情報の拡散」については、「ニュース」などが良い例かもしれない。
簡単にいえば、昔は家の前で開かれていた井戸端会議が、
ネットで開かれているようなイメージだろう。
知った情報を、誰かに喋りたくてネットに書き込む。
それを見た人がまた、自分のブログなどに書き込む。
これが繰り返されることで、情報が急激に拡散していく傾向にある。

 上記に加えて、「情報の探索」ができるという特徴もこの拡散を促進していると言えるだろう。
一方的な情報発信だけでなく、情報を簡単に検索&探索することができるため、
見たい情報を探し出して、閲覧して、また発信していく。

 この特徴は、他のテレビや新聞、ラジオなどの従来の情報発信型(一方向型)のマスメディアから発信される情報も取り込んで、情報の拡散を促進している。

 このように「情報の発信」と「情報の拡散」により、
情報と情報の連鎖が発生している。
この発生した情報が、現実社会に投影され強い影響を持ちだしているといえるだろう。


【情報の連鎖とメディアの質】
 テレビや新聞、ラジオのような従来のメディアは、
放送倫理をチェックする機構などがあり、ある程度は情報の質の確保に努めてきたといえるだろう。

 念のため言っておくと、
ここでいう「情報の質」とはモラル的な点を指して記載している。
その情報自体の意義性などについては指していないので、
ご容赦願いたい。
(今のメディアが発信する情報が必ずしも有意義とは語っていない)

 インターネットもこのような「情報の質」に対しての取組みに関しては、
大手メディアにおいて以前よりは取組みを強化しているようだが、
依然として、マスメディアを代表とした他のメディアと比較すると
非常に低いものと言って差し支えないであろう。

 問題は、このような「情報の質」を確保されていないメディアで
「情報の連鎖」が進み、現実社会に強い影響を持ってしまっている点である。
誤解しないでいただきたいのだが、前回も話したが、
インターネットの自由度を阻害することをいっているのではなく、
「自由」と「束縛」のバランスの問題だと考えている。
そのバランスが、インターネットでは他のメディアに比べて極端に悪い状態にあると考える。
そのため、なかには「情報の質」が悪いものまで流通してしまっている。

 このような「情報の拡散」を促すインターネットにおいて、
「情報の質」が確保されていない状況のなかで、
企業は個レベルでその対応を慎重に行う必要がある。
発信される情報を活用して企業経営に役立てるだけでなく、
例えば時として発信される情報を監視して、
迅速な対策を打つべきことなどが考えられる。

 インターネットという購買活動に強い影響を持つメディアの誕生により
企業は発生している「情報の連鎖」を上手にマネジメントすることは、
今後必要不可欠になるだろう。
現在においては情報活用の有効性について懐疑的な人も多いと思うが、
必ず近い将来、「情報を活用」した「情報戦略」の重要性が高まっていくだろうと考える。


 次回はいよいよ、
この「情報連鎖」が発生しているなかで、
企業はどのように情報をマネジメントするべきかについて記載していきたいと思う。
私が考える、情報連鎖マネジメント(Information Chain Management : ICM)
について説明していく。

Yahoo!ブックマーク  Googleブックマーク  はてなブックマーク  del.icio.us  newsing